ピアノ修理(スティック→センターピン交換)

ピアノの修理についてご紹介します。

こちら(北陸)では特によく見かけますが、湿気の影響でピアノのアクションの回転部分の動きが悪くなって、動きにくくなったり重くなったり音が出なくなったりする場合の修理です。

弦を叩くハンマーが取り付けてある根元の部分が「バット」、それをアクション全体のセンターレールに取り付けているのが「フレンジ」で、それらは木製あるいは樹脂製ですが、固定されたフレンジと円運動をするバットの間には金属の軸(センターピン)を介して動く様になっています。

また、金属と木または樹脂が直接摩擦しない様、その間にはフェルトを挟んで軸受けにしてあります。

湿気が多い状態が長く続くとそのフェルトが水分を含みます。

水分を含んだ状態ではフェルトが膨張していますので、もちろん回転の抵抗の直接の原因になりますが、それが乾燥しても湿気がフェルトの表面を劣化させて粘り気が出て抵抗になったり、また、金属のピン自体も錆びて抵抗になったりします。

動きの悪くなったセンターピンを外し、フェルトの表面を専用の工具で削り取って、フェルトとの回転抵抗を確認しながらフェルトを削った分だけもともとのものより若干オーバーサイズの新しいセンターピンを挿し込み、両端を切って交換終了です。

再びアクションに取り付けて、弦とハンマーの位置を調整し動きを確認します。

ピアノ内部にはこの様なセンターピンを介する回転部分が他にも数カ所あり、それぞれが鍵盤の数の分(88本)あります。

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