今回の内容は、直接ピアノの整備には関係ないのですが、番外編としてご紹介してみます。
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最近、入手の困難な部品などを、樹脂を使って復製することをいろいろ試してみています。
型や樹脂は、最近ではいろいろなタイプのものがあって、入手することも容易なので、そういう意味でもいろいろと試してみたいと思っているのですが、作業の中で、型や製品の元となる液体を流し込んで固めるときに、泡が入って中が空洞になるのを防ぐための工夫を考えていました。
いろいろと調べているうちに、その様な作業では「真空脱泡機」なるもので液体から泡を抜くということが分かったので、その原理を簡易的に真似出来る様なものを作ってみました。
真空というよりもそこそこ負圧がかかればある程度泡を抜くことができるかな?ということで、本当に簡易的なものです。
真空ポンプは無いので、いつもはほとんど使う機会のない小型のコンプレッサー(1馬力)の吸気の負圧を利用します。
吸気側のエアクリーナーを外して、そこにカプラーを取り付けます。
負圧をかける空間用のケースは、とりあえず大きさ的にぴったりだったので、その辺にあった樹脂製のコンテナを利用することにします。
コンテナに穴を開けて、そこにもカプラーを取り付けます。
コンテナの開口部分の周囲に、ドアの戸当たりテープを貼って密着性を高めます。
コンプレッサーとコンテナをエアホースで繋いで準備完了です。
さっそく型に樹脂を流し込んで使用してみました。
これでもし足りなかったら、通常使用している大きなコンプレッサーで試してみようと思っていましたが、ケースが凹むくらい負圧がかかる様で、なかなか良い感触です。
出来上がったものを試しに中の方まで削ってみましたが、気泡は完全に取りきれてはいなかったものの、これを使用せずに流したものと比べると明らかに良い状態でした。
作業手順などをもう少し見直せば、この方法でもなかなか良い状態のものが作れそうです。
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<もし記事を参考されることがあれば…>
・コンプレッサーはドレインを解放したまま手動で動かしています。
・コンプレッサーの操作は手動なので、そのまま動かし続けるとコンテナかコンプレッサーが壊れますのでほどほどに(笑)