譜面台ヒンジ

多くのアップライトピアノの鍵盤蓋についている折りたたみの譜面台は、何十年も使っているうちに折りたたみ部分のヒンジが緩くなってきて、鍵盤蓋を締めるとカチッといって譜面台が鍵盤に干渉するということがよくあります。

その場合はヒンジそのものを交換するか、ヒンジの芯棒を少し曲げて抵抗を増やして開きにくくするなどの処置をしますが、ヒンジそのものの部品代はそれほど高いものではないし手間もかからないので、調律などの現場でも交換する場合が多いです。

先日クリーニングでお預かりしたピアノの分解をしていると、ヒンジそのものはそれほど傷んでいないのに取り付けが妙にガタガタなのがあったのでヒンジを外して確認してみると・・・

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譜面台は樹脂のものが多く、直接ネジ山を切ってあるのでなく樹脂に金属のナットが埋め込んであって、細目の皿子ねじで締め付けてあります。

ここに使われていたのは、木ネジ。

1本は長さが合わなかったらしく、わざわざ余分なところを切ってあります。

ネジが在庫切れだったとしても、元々のを使えば良かったのに・・・(笑)

最近読んだ本の中で、「現在失われつつある”職人魂”(職人のこだわり)というのは、もともと社会の中で関係の質的なガイドラインというか”良心”の役割を果たしていた…」という様な内容があってとても感銘を受けましたが、大量消費に合わせた悪い意味での品質管理が基準になりつつある現在の流通社会の中で、脚下照顧。

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