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ピアノの外装修理(大きめの欠け傷)

ピアノの外装修理の作業の様子をご紹介します。

ここでご紹介するピアノはグランドピアノ型の電子ピアノですので、実際のピアノの場合はこの様に「欠け」ることはありませんが、大きな打ち傷や引っ掻き傷等の補修も、基本的には同様の作業となります。

基本的に電子ピアノは、中身の電子部品だけでなくボディーも本物のピアノと比べると簡素な作りになっているので、その耐用年数等を考慮すると大きな修理はあまりお薦めしていませんが、今回の場合はホテルのホールの備品として使用頻度も高く見栄えも気になるとのことで、イレギュラーながら県外への出張修理となりました。(通常は基本的には工房に持ち込んでの作業となります。)

状態は、台車に乗せての移動中にどこかに引っ掛けて、ボディーの端がパックリと欠けてしまっています。

塗装修理が必要なので、ご依頼人のご自宅の車庫をお借りして作業を進めました。

下地を整えた後、パテを盛ります。
今回の場合はパテを分厚く付けなければならないので、中間パテ〜仕上げパテと、何回かに分けてパテ付けします。
(厚付け出来る下地用のパテは強度は高いけど肌理が荒く、仕上げ用のパテは数ミリしか盛れないけれど肌理が細かくなります。中間パテはその中間の意味)

パテが乾いたら、元の形に整形します。
平面出しや複合のR部分など、目視と指先の感覚で何度も確認しながらの作業です。

パテを盛った部分と、その周辺の整形するときにペーパー傷がついた部分にサーフェーサー(下塗り剤)を塗ります。
下地の表面を整えながら、素材と塗料の密着性を高める役割等があります。

サーフェーサーが乾燥したら研磨して周囲を足付け(塗料の密着性を高めるため極小さな傷をつける)、脱脂、マスキングして上塗り塗料を吹き付けます。

塗料が乾燥したら鏡面になる様に磨きをかけて仕上がりです。