オリジナルネーム入れ

ピアノリメイクの追加オプションとして、オリジナルネームを入れることが出来ます。

打ち合わせで決めたオリジナルのデザインで金箔の転写デカールを作成し(外注)、それを塗装の中に埋め込みます。

文字そのものも、微妙にヒゲのラインを調整したり、意外と細かいところまで凝ってデザインしています。

ピアノ オリジナルネーム入れ1

名前+メッセージ+飾り枠の例。ゴシック調の名前に筆記体のメッセージを添えています。

お客様からイメージをお聞かせいただき、それに合わせて文字のスタイルや飾り枠、また、ネームと一緒にメッセージなどを配置してデザインしていきます。

ピアノ オリジナルネーム入れ2

ピアノ全体の雰囲気に合わせて、細いラインの曲線基調でまとめています。

ピアノ オリジナルネーム入れ3

チェンバロと並べてお使いになるということで、シンプルだけどオンリーワンのロゴです。

ピアノ オリジナルネーム入れ4

お母様の気持ちとセンスを込めて。

ピアノ全体の完成イメージに合わせて、金箔だけではなく、マットな色の箔で作成することも可能です。

ピアノ オリジナルネーム入れ5

カントリー雑貨調のイメージです。「i」の点は葉っぱになっているという芸の細かさ(笑)

また、この箔を利用して、ネームだけではなくデザインを施すことも可能です。

下の写真は、見る角度によって色が変わるホログラムの箔を用いて”ディズニーランドの様なキラキラ”の雰囲気を表現したものです。

ピアノ オリジナルネーム入れ6

箔の背景にもキラキラのラメを塗装しています。

また、箔を塗装に埋め込むよりもずっと簡単ですが、カッティングした切り文字をそのままピアノに貼り付けるだけでも、場合によってはイメージがずいぶんと変わってオリジナリティーを表現することが出来ます。

ピアノ オリジナルネーム入れ7

カッティングシートだけでもそれなりに仕上がります。

大橋ピアノ OHHASHI 125 濃い木目の外装修理

オオハシの125の外装修理の前後の様子を画像でご紹介します。

「図面ができると、音が聞こえる」という天才肌のピアノ職人”大橋幡岩”が作ったメーカーのピアノということで、音の表現力には定評があり、メーカー自体は残念ながら無くなってしまいましたが現在もなお根強いファンを持つブランドのピアノです。

今回お預かりしたピアノは、お客様ご自身も「黒」だとばかり思っていらっしゃったほど濃い木目のピアノです。
黒ならば補修して塗りつぶしでOKなのですが、木目を残して補修〜再着色ということで、塗装下地からのやり直しとなりました。

まずは、全体像のビフォー/アフターです。

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(Before)

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(After)
写真で見ても黒に見えるくらい濃い木目です。

全体的に擦り傷、打ち傷が多く、加えて着色層の色褪せとコーティング層の劣化による白濁や変質があります。 表面の補修や磨き直しではきれいにならないので、現在の塗装を一度剥離して、補修〜着色〜上塗りする必要があります。

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(↓塗膜を剥離しているところ)
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各部のパネルについて、塗膜剝離〜傷補修〜着色〜下塗り〜下地調整〜上塗り〜磨き仕上げの工程を施し、組み立てます。

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(Before)

ohhashi125-after02
(After)

このピアノには象牙の鍵盤が奢られていましたが、黄色く変色して上面も凹んでいたので、薬品とサンディング〜磨きで漂白・整形し直します。
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(Before)

ohhashi125-after03
(After)

ここにきて、やっとで木目だということが分かる写真が出てきました(笑)
ohhashi125-after1

作業の内容のご紹介は端折っていますが、ねじ1本までチェックしながら作業を進めています。
ohhashi125-before3

透かし彫りの譜面台

過去の製作例の中から、オリジナルの透かし彫り譜面台についてご紹介します。

オリジナルということでデザインから制作するのですが、なるべくお客様のご要望やシチュエーションに合わせて形にする様に心がけています。

今回ご紹介する例では、以前から顔見知りのお客様であったことと、仕上げについてはピアノの選択も含めてすべてお任せいただいたこともありましたので、途中の打ち合わせもほとんど無く(ただし、建築中の現場には何度か足を運ぶ機会があったので、お部屋の完成予想などもお話しさせていただきながらインテリアの雰囲気も掴むことが出来ました。)モチーフなど当方で勝手に決めさせていただきましたが、オーダーいただく場合にはなるべく多くのご要望をお聞かせいただいたり、可能ならばインテリアや家具などイメージの参考になる写真をお送りいただいたりした後製作に取りかかります。

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まずはデザインの下書きから始めますが、仕上がりの雰囲気とそれぞれのモチーフ、強度的なバランスなどを念頭に置きながらながら作業を進めるので、思いの外時間がかかります。

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アンティークの譜面台も参考にしたりしながらデザインを煮詰めていき、下書きが完成したら細かい部分を修正しつつきれいな形に整えてデザインを完成させ、材料に転写して切り抜き塗装します。

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作業は細かいのでこれにも時間がかかりますが、ここでは省略して今回はなかなか説明する機会のないこの譜面台のデザインについてご紹介させていただこうと思います。

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仕上がりの全体像はいちばん上の写真にもありますが、新築のたくさんの装飾がある女性的な淡い色使いのインテリアの中で映える様に、ピアノ本体も曲線基調の猫足のものを選んだので、譜面台も曲線を基調にしています。

全体のイメージとしては、ピアノがティアラをつけている感じになれば良いなと思いながらシルエットを決めました。

クラシカルなものから型取りした譜面台を既製品としてオーダーすることも出来るものもありますが、重厚感があり少々無骨になるかもしれないということもあって、オリジナルで製作することにしました。

中央の部分は、クラシカルな譜面台にも多くモチーフとされている竪琴を取り入れつつ、その部分は実はオーナーさんのお名前を表しています。
また、このピアノはそのオーナーさんへの新築祝いを兼ねたプレゼントというシチュエーションもありましたので、そのお名前にリボンを組み合わせた様なデザインにしてみました。

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その外側は古典的な蔦模様のモチーフに見せつつ、たくさんのハートで取り囲んであります。

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そしてその外側は、このオーナーさんが他所から来られてこちらで事業に成功して家を新築されたということで、しっかりと地面に根ざした蔦模様が外側に向かって伸びていますが、それは両側に天使が羽を広げている様にも見える・・・ということになっています(笑)

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上記の説明は少し分かりにくいかもしれませんが、少し謎なくらいがデザインの醍醐味ということで(笑)

ということで、数年来お付き合いさせていただいていて大変お世話になった方のご依頼ということもあったので、思う存分好き放題させていただいたわけですが、そんな想いが通じてかどうかは分かりませんが、たまたま納品した後すぐくらいのタイミングで、某ピアニストさんが来日ツアーの余暇で富山に遊びに来ていたので、こちらのお宅でバーベキューをしながらこのピアノを弾いてもらう機会もあったりと、幸運なオーナーさんを象徴する様な出来事もありました。

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本場ドイツの職人さんによる透かし彫りの譜面台をオーダー出来るサービスもありますが、この様な1点ものの譜面台もいかがでしょうか。

ちなみに、アンティークのピアノから型を取った汎用タイプの透かし彫りの譜面台も国内では流通していますし、それを取り付けることも可能です。

取付例(1)
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取付例(2)
P1060744

透かし彫り譜面台などのリメイクピアノのデコレーションはこちらをご参照ください。