リメイクピアノのオプションで、装飾パーツを取り付けることができます。
ここでは、リメイクピアノに装飾パーツを取り入れるきっかけとなったエピソードをご紹介したいと思います。
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ずいぶん前のフランス旅行中、ヴェルサイユ宮殿を訪れる機会がありました。
ヴェルサイユ宮殿といえば絶対王政の最盛期を代表する建物で、「鏡の間」に象徴される様に荘重で豪華絢爛なバロック様式のイメージが強いのですが、
それに続くロココ様式の発祥の中心でもあったわけで、ポンパドゥール夫人からマリー・アントワネットへと引き継がれた「プチトリアノン」はかねてから是非一度訪れてみたい場所でした。
ちなみに、現在もピアノのデザインで人気の「猫脚」はロココ様式の最大の特徴でもあり、実はマリー・アントワネットとモーツァルトは誕生日が3ヶ月しか違わないのですが、モーツァルトが活躍した時代はちょうどピアノの原型が形成される頃でもあるので、ピアノとロココの関わりは意外とその源が近いところにあるのではないかと想像します。
プチトリアノンの中は至る所に豪華さと女性的な優しさを兼ね備えた装飾が施してあり、
これは何とかピアノにも取り入れられないかと帰国後いろいろ探しているうちに、装飾用の建築部材から流用することを思いつきました。
早速サンプルを取り寄せて、リメイクしたピアノと質感が合う様に加工して塗装をしてみました。
これをリメイクしたピアノに取り付けてみるとなかなか良い感じで、工房でこのピアノを見た人たちからもとても評判が良かったので、この後さっそくサービスのひとつとして取り入れることに決定しました。
記念すべき装飾第1号のこのピアノには、プチトリアノンの広い庭園の池のほとりにある、ロココの語源ともなっている”洞窟”を抜けたところに建っているベルヴェデール(=見晴らしの良い小さな建物という様な意味 …後で知ったのですが、ここは別名「音楽のサロン(Salon de Musique)」といううってつけの名で呼ばれているのだそうです。)のすぐ近くでこのときに摘んで来た「四葉のクローバー」を記念品としてプレゼントさせていただきました。